今週はマイケル・ジャクソンのヒューマン・ネイチャーをお届けします。この曲は1982年12月にリリースされたマイケル・ジャクソン6枚目のスタジオアルバムである「スリラー」に収録されている曲です。スリラーといえば言わずと知れたモンスター・アルバム。表題曲のスリラーをはじめ、アルバムに収録された9曲中7曲がシングルカットされ、その全てが全米トップ10のヒットとなり、アルバムは「史上最も売れたアルバム」だとされています。実に売り上げは7000万枚で、ギネス記録になっています。
それまでのソウルフルな歌唱法から一転、スリラーはよりポップ、ロック色の強い曲に舵取りしたアルバムです。クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎え、MTVの普及にも乗り大ヒットさせたアルバムです。今日の曲の題名のヒューマン・ネイチャーは、人間のサガと言った意味です。
大都会ニューヨークのタワマンから下界の夜の雑踏を羨ましく見下ろしている情景を表した歌に仕上がっています。
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窓から夜の街を見下ろす
街はずっと灯りが消えない
街がボクを呼んでいる
こっちへおいでよって
ささやきかけてくる
ボクをここから出してくれよ
夜が呼んでるんだ
もう壁なんかには邪魔されない
この街がリンゴならば
ボクも一口もらうよ
なんで?ねぇなんでなの?
そう聞かれても、それが人間ってものさとしか言いようがない
人間ってそういうものなんだよ
見知らぬ人に手を伸ばしてみる
そこら中で目が光っている
あの子を見てみる
彼女はボクが見ていることを気づいている
そしてそれを楽しんでいるんだ
ボクにはそれが人間ってものさとしか言えないんだ
こんな生き方でいたいんだ
こんな生き方が好きなんだ
朝になってしまった
まだ窓から街を見下ろしている
街も目覚めたみたいだ
その息遣いに触れて
ボクも通りを歩いてみたいと思うんだ
なんで?なんでなの?誰かが尋ねるんだけれど、
ボクにはそれが人間ってものさとしか言えないんだ
こんな生き方でいたいんだ
こんな生き方が好きなんだ
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曲の中では、why? why? と何度も出てきます。実はこの歌詞、もともとはロザンナやアフリカがヒットしたバンド、TOTOのキーボード、スティーブ・ポーカロの娘の「なぜなぜ期」の歌が元ネタで、それを夜の大都会の歌に書き換えたんだそうです。 歌詞に「リンゴ」が出てきます。ニューヨークはビッグアップルと呼ばれています。ニューヨークの摩天楼のきらびやかな夜を想像させます。スターであるマイケルはきらびやかな世界の中心にいる反面、勝手気ままに夜の街で遊ぶことはできなかったんでしょうね。大げさなボディガードに囲まれてじゃないとどこにも行けない窮屈な生活との間で心が揺れていたんじゃないですかねぇ?